Analyst News / アナリスト通信#05

みなさま、あっという間に年の瀬ですね。社会的にも色々大きな出来事があった2022年。
皆様の2022年はどのような1年でしたでしょうか?
今月号のアナリスト通信では、2022年の活動を振り返る意味での1月&8月に行われた座談会レポと、2023年にかけてリリース予定の動画講座(これ以外にも新しい企画や動画講座が増えていく予定です) を一部ご紹介いたします。スタッフ一同、試行錯誤の日々ですが、これからも楽しく深く学べる内容の講義をお届けできるよう尽力して参りたいと思います。(最後に2023年の蔵出し情報があります!)

“聴く”無料コンテンツ「臨床の耳」、第2弾できました!

先月から新しく始まったアナリストの無料コンテンツ「臨床の耳」は、ラジオのように、お好きなときにBGM代わりに聞いていただける音声コンテンツです。今月は、気軽なトーンで真剣に問題を語り合う対話コンテンツ「水割りバーボン系トークバラエティ“御幸通6丁目”が近日リリース!
 
☆水割りバーボン系知的ライトトーク「御幸通6丁目」
第1回目のゲストは山崎孝明氏(マスター:富樫公一)!
①「最近、本読みましたか?」
②「最近、書いてますか?」
臨床家たちが集うバー「御幸通6丁目」は、面接室を出た臨床家たちが1日の終わりにちょっと立ち寄るための場所。そこでは、臨床家が普段気になっている様々なテーマについて、静かで、熱い議論が交わされています。1日の間には、いろいろ考えさせられることがありました。臨床家たちは、リラックスして頭を緩めながら、気の合った同僚とともに語り合う中で、自分の考えをまとめようとしているかもしれません。あるいは、そこから新たな考えが生まれるかもしれません。ちょっと覗いてみてください。あなたに関心のある対話がそこで交わされていたら、ぜひ「一緒に一杯いかがですか?」
 
→心理臨床家が考える様々なトピックについて、より多くの方に気軽に触れていただけるよう、コンテンツは随時無料配信し、リリースから3月経過後は有料コンテンツとしてアナリスト本体に収録される予定です(アーカイブとしてご利用ください)。皆様の知的好奇心やご関心に触れる、“短いけれど深い”様々なテーマについて発信していく予定です。

いまさらレポート①:<アナリスト新春座談会&ビンゴ大会>

いやほんとに、もうはるか昔のような気分になってしまっているのですが、2022年1月に開催された新春アナリスト座談会を開催いたしました。こちらは、「JFPSPアネックス:絶対に小難しいことを言ってはいけないラジオ的時間」とのコラボレーション企画で、まったく学術的ではないパーソナルなトークに、慣れないビンゴ大会、どう展開するのか全く予測のつかないざっくばらんすぎる企画でしたが、ご参加いただいた皆様からたくさんのご投稿やコメントを頂き、あっという間の楽しい2時間となりました!普段はなかなかお会いする事ができないアナリスト視聴者の皆様と、オンラインで繋がってビンゴに興じたりお話することができ、とても嬉しかったです。週末の夜の貴重なお時間にご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
 
第1回「学びのお悩み川柳大会」では、皆様からの秀逸すぎる&共感しすぎてしまう「学びのお悩み川柳」のご投稿に、スタッフ一同抱腹絶倒でした。以下、学びの川柳「大賞」に輝かれました、お2人の素敵な川柳をご紹介します。
 
【大賞作品①】
 
「入門書、いったいどこが、入門書」
(ペンネーム:へたれさん)
 
コメント:いや~、めっちゃわかります!「入門書」と書かれた書物がさっぱり分からないとき、私はいったい何を読めばいいんだ…と泣きそうになった経験は1度や2度ではありません。
ちなみに、この「入門」という言葉をめぐっては、「精神分析が生まれるところ」(富樫公一著)の第一章「間主観性理論と倫理-入門編」(p.3―5)をご一読いただけると、「入門書、いったいなにが 、入門書」という問いに出会えるかもしれません。
 
【大賞作品②】
 
「研修と 書いて “オシカツ(推し活)” ルビをふる」
(ペンネーム:かすてらさん)
 
コメント:「推し(関心のある)の講師の研修をみつけると、脊髄反射的に申し込んでしまう」という、かすてらさんのお悩み(?)を川柳にして下さいました。様々な研修がオンライン化になり、筆者(スタッフ)もついうっかり、興味のあるセミナーを(後先考えず)脊髄反射的に申し込んでしまう症候群(そして週末がつぶれてしまう問題)に陥いりがちです。それだけ、学ぶ意欲と好奇心に満ち溢れている!ということで、いいですよね?かすてらさんのユーモアセンスに笑いと元気を頂きました!
 
スタッフ作:
「家事育児 スキマ時間に アナリスト」
(ペンネーム:アナリストスタッフ)
 
コロナによる多様な学びオンライン化で、子育てに介護に真っ最中のアナリストスタッフは、どれほどの恩恵を受けたか分かりません。これからも、対面の良さ、オンラインの良さを相互に活かしながら、支援や学びの幅が広がっていくことを願いつつ、アナリストでも様々な企画をお届けしていきたいと思います!
 
その他、紹介しきれないほどの秀逸すぎる川柳のご投稿をありがとうございました。(またいつか2回目も開催したいです)

<アナリスト視聴者限定!交流勉強企画 「ちょっと教えて、精神分析的心理療法のはじめかた」>

2022年8月に、アナリストご視聴者の皆様との交流勉強企画として、「ちょっと教えて、“精神分析的心理療法のはじめかた”」を開催いたしました。これは、アナリスト動画シリーズ「精神分析的心理療法のはじめ方」に関する視聴者様からの疑問質問に(シリーズ担当講師の)富樫公一がライブでお答えしていくといった無料の勉強会企画でした。多くのご質問をお寄せいただき、有難うございました。こちらの座談会によせて、素敵なご感想をご寄稿頂きました。許可を得て掲載させて頂きます。
 
【アナリスト座談会に寄せて】
アナリストのサービスが開始され早一年、こんなに画期的な学習方法が心理業界に今まであっただろうか。無駄に時間がかかるだけで如何に仕事に向けて意識を切り替えるか苦労していた通勤の時間が、今では毎日「今日はどの動画にしようかな」とその時の気分や、その日に予約の入っているケースのテーマを思い浮かべながら、選んでいる自分がいる。理想はじっくり画面を見ながら集中して「見て聴いて学ぶ」だと思うが、聴きながらだけでも十分に、かつ繰り返し聴くことで理解は深まる。育児中でなかなか専門書を読む時間をまとまって取れない私にとってアナリストは、知識を深めてくれることはもちろん、勉強意欲を非常に刺激してくれるツールになっている。

そんなアナリストと共にある生活もずいぶん慣れ親しんだ折り、第二回の座談会の通知。第一回目は参加しようと思いながらも予定が合わず、後日配信された様子を聴きながら、予定を変更してでも参加すれば良かったと後悔したものだった。富樫先生が「わかりやすくは無理ですね、これ」と冗談交じりに仰られながらも、とてもわかりやすく丁寧にご説明され、MCの中西桃子先生がさりげなくポイントをまとめる。第二回目があれば次こそは、と考えていた。二回目のテーマはより広く、精神分析的心理療法についてだった。精神分析や精神分析的心理療法を学んでいく過程では、個人的には非常に疑問点が多く、誰かに「これって実際にはどうなの?」と聴きたくなることがとても多い。しかし実際にはそんなことを聴くことは、相手も場もなかなか得られないというのが私の環境で、座談会はそんな私のような初学者にはうってつけの機会であった。
和やかな雰囲気で進んでいきつつも、とても面白く勉強になる。「軽く聴き流しながらでも~」と謳われたように、家事の片手間で聴けてしまうが、思わず手を止めながら聴き入る自分がいた。しかし、自分の周りに洗濯物が散らかっている以上カメラをONにはできない。MCの中西桃子先生が「黒い画面の向こうで皆様何を思いながら過ごされていらっしゃるのか…」と仰られてドキッとしながらも、すみません…と思いながらそのまま聴いていく。総じて運営サイドの狙いとしては、座談会と銘打っている以上は交流をメインにお考えのようであったが、個人的にはああいった場ですら発言するのは勇気がいる。その背景には「こんなこと言って場違いだとか無益なことと思われたらどうしよう…」という感情が多い。基本的にそんなこと思われないとわかってはいるのだが、無意識に考えてしまう自分がいる。そんなことを言っていては本末転倒だとわかっているのだが、怖いものは怖いのだ。絶対傷つきたくない。そんな自分の抱えている心の闇と格闘しながらも、この座談会には自分にとって大きな意味合いがあった。

まずは純粋に学ぶ機会としての場である。今回も富樫先生はわかりやすく丁寧にご説明くださった。多くは基本的な知識や概念について、実際の臨床場面を想定しながらお話ししてくださるので、とてもイメージしやすかったが、聴いていくとそういった技法や知識云々よりも、まず何よりも大切なのは「プロの臨床家としてどう患者さんやClに向き合うか」ということに尽きるものだと感じた。考え続けること、関わり続けることの重要性について繰り返しお話しされる内容から、技法や知識について学んでいくことももちろん大切ではあるが、その前に人として、臨床家としてどのように目の前の患者さんやClと会っていくかについて、改めて考える機会となった。富樫先生のお言葉に、多くの参加者の方々が(良い意味で)グサッと刺さった時間であったと思う。

ただ、毎日のように反省会をする必要のある私には、時に考え続けることや関わり続けることに苦しくなる瞬間が多く訪れる。そんな時少しでもその苦しみから逃れようと、技法や知識に飛びつこうとする自分がいるが、そういう逃避ではなく、「エンパワメントしてくれる場」としての機能が座談会にはある。上述の通り、私は発言することにすらかなり不安感を覚える人間であるため、こっそり聴いているだけではあるのだが、発言や交流の促しの頻度が多く、積極的な場への参加のきっかけが其処彼処に散りばめられているのである。「こんなに誘ってくれるなら少し発言してみようかな」と私ですら思う程だ。座談会とは別にJFPSPにはラジオ的企画があり、緩さの極みがラジオだとすると、座談会は小難しくならないような配慮がありつつも知識を深められる時間であり、適度な真面目さと緩さを兼ね備えていると言える。何を隠そう、この緩さの中にJFPSPならではのかなり高度に設定された空間の力がある(と個人的に勝手に思っている)。それはアフタートークに参加しないとなかなか見えにくいものであるのだが、図々しくも毎回のように私はちゃっかり参加させていただき、運営の皆様の並々ならぬ努力と苦労を目にしてきた。こんなにホスピタリティの溢れた団体はそうないだろう。「何でいるの?」と誰も私に一度も言ったことがないのだ。私も「あれ?これ残っていたらダメなんじゃないか?」と思っているのだが、誰も何も言わないどころか普通に「今日どうでしたか?」と感想を尋ねられ、そして結果的になぜか今この感想文を書くことになっている。おかしい、こんなはずではなかった。

ここまで書いておきながら、これが誰かの目に触れると思うと緊張して変な汗が出てくる。そもそも無名の一心理士にこんなことを頼むだろうか?やっぱり断っておけば良かった…と思う反面で、この話をあまり躊躇うことなく引き受けた自分を振り返ると、やはり座談会やラジオがもたらすエンパワメントの効果を実感せざるを得ない。こんな私が一歩を踏み出してみようと思わせてくれる力があることを、少しでも多くの人に知ってもらえたらという想いと、アナリスト、座談会、ラジオなどの企画運営の皆様を始め、JFPSPへの日頃の感謝をこの機会にお伝えしようと思い、長々と書かせていただきました。これからも楽しく学ばせていただけたらと思います。ありがとうございました。
粂田航平 様(医療法人研精会 豊田西病院)
 
スタッフ:こちらこそご参加&素敵なご感想をありがとうございました。「動画配信サービス」だけに、なかなか普段は皆様と対話や歓談をする機会が持てないことにもどかしさを感じることも多いですが、座談会や交流企画を通して皆様と繋がれることや、こうしてご感想を頂けることは、私たちスタッフにとっても大きな支えになっています。
忙しい週末の夜のお時間にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。また洗濯物をたたみながら、夕食や晩酌をしながら、お気軽にご参加頂ければ幸いです。次回もお会いできますことを楽しみにしております☆

2023年リリース予定動画の一部をご紹介!

・「こころの探究者たち」vol.8 森さちこ氏  
・「NAPIシンポジウム“論文発表への道のり”」
・「NAPIセミナー“Roger Frie博士の論文講座”」
・「精神分析的心理療法のはじめかた~記録について~」馬場天信氏
・「精神分析的心理療法のはじめかた~SVについて~」馬場天信氏 
・「心理検査の所見の書き方と(精神分析)臨床への応用」吉村聡氏 
・「ユング心理学入門」広瀬隆氏
・「マイケル・バリントの精神分析」筒井亮太氏 
・「フレッド・ブッシュの精神分析」鳥越淳一氏 
・「メンタライゼーション入門」池田暁史氏
・「フロイトを読む」藤井あゆみ氏 
・「独立学派の歴史と概観」奥寺崇氏
・「精神薬理」「児童思春期精神医学」岡琢哉氏
・「コフートの生涯」「倫理的転回(後編)」富樫公一氏  
・「終わりなき分析と」藤山直樹氏 
などなど!!無料コンテンツや座談会なども続々企画していきます☆
 
蔵出し情報!
2023年2月中旬に、あざみの心理オフィスによるあざみのカフェとアナリストとラジオアネックスのコラボ企画があるかも?!近日情報公開予定?!どうかお楽しみに!
 
その他、アナリストに関するご意見・ご感想・お問合せにつきましては、以下のフォームよりお気軽にお問合せ下さいませ。
 
本年もアナリストをご愛顧頂き、どうもありがとうございました。
2023年も皆様にとって素晴らしい一年となりますよう!!素敵な年末年始をお過ごしくださいませ☆

関連記事

TOP