当研究所は、3年間の集中プログラムを基本とする精神分析的心理療法家認定訓練プログラムを用意しています。訓練プログラムは、コースワークと個人心理療法、個人スーパーヴィジョンから構成されます。訓練生は、これを通して、現代自己心理学やそのための精神分析理論とその臨床的応用を学び、それを修得した者には一般社団法人日本精神分析的自己心理学協会の認定証が与えられます。また、当研究所は、米国ニューヨークに本部を置くNAAP精神分析研究所の認定資格の申請も推奨します。ただしその場合は、当研究所の修了資格に加えて、さらにいくつかの訓練を重ねなければなりません。
初年度には精神分析の基礎理論と歴史を中心に学び、2年目には基礎理論と現代自己心理学のシステム理論を学習します。3年目には、それらの理論の理解をさらに深めるとともに、その理論の臨床的応用について体験的に学習します。そのようなコースワークと並行して、訓練生は、スーパーヴィジョンと個人心理療法を3年間受け続け、臨床的な感性を磨いていきます。当協会は附属の心理相談室も備えており、希望者はそこでの心理療法セッションを持つことも可能です。
訓練生は、正規生と科目等履修生に分けられます。当訓練研究所を修了するためには、少なくとも正規生として3年以上在籍していなければなりません。正規生の募集は3年に1度しか行われ、来年度(2016年度)が第2期正規訓練生の募集の年にあたります。さまざまな事情のため、3年で修了を見込めない方は、4~9年かけて修了することも可能です。その場合でも、3年間は必ず正規生でなければなりません。修了を目ざす時期を考え、科目等履修生から正規生へ登録の切り替えを行ってください。正規生登録のためには、出願書類の審査と面接を経て審査に合格する必要があります。科目等履修生は、履修生となるのに足りる要件を満たしていれば審査を受ける必要はありませんが、毎年7,000円の登録料がかかります。
※現在、正規訓練生の募集は終了しています(2016.03)。
当訓練研究所を修了することは、一般社団法人日本精神分析的自己心理学協会の精神分析的心理療法家に認定されること意味しています。当協会の認定要件は以下のとおりです。
1. 認証された大学院による修士以上の学位を有するか、臨床心理士資格あるいは医師免許を有すること
2. 当訓練研究所またはそれと同等以上の国内外の精神分析研究所のコースワークにおいて、38単位以上取得し、正規生として3年以上在籍していること
3. 認定判定の口頭発表に合格すること
4. 当協会認定、または、それと同等以上の資格を持つ精神分析家または精神分析的心理療法家から、120時間以上の個人精神分析的心理療法を受けていること
5. 当協会認定、または、それと同等以上の資格を持つ精神分析家または精神分析的心理療法家から、80時間以上の精神分析的心理療法のスーパーヴィジョンを受けていること。そのうち40時間は一人のスーパーヴァイザーの下で継続し、それ以外の40時間は一人またはそれ以上のスーパーヴァイザーのもとで行うこと。自分の個人精神分析的心理療法家は、スーパーヴァイザーになることはできない。
6. スーパーヴィジョンのもとで、120時間以上の臨床経験を持つこと
当訓練研究所の教育課程(2016年度版新課程)は、以下のようになっています。3年間集中プログラムを基本としており、各授業は3年サイクルで開講されます。新設の科目については、過去に取得した単位と互換できる場合があります。詳しくは教務までお問い合わせください。
[1年次必修(12単位)]
フロイトの著作、自我心理学(技法とメタ心理学)、夢と空想、ケースセミナーⅠ、倫理と私設相談室の開設、コフートと自己心理学(技法とメタ心理学)
[2年次必修(12単位)]
対象関係論(技法とメタ心理学)、乳児研究と発達、精神分析的診断、現代自己心理学、精神医学・薬理、文化と精神分析
[3年次必修(12単位)]
間主観性理論、ジェンダーとセクシュアリティ、精神分析研究法Ⅰ、精神分析研究法Ⅱ、関係精神分析、ケースセミナーⅡ
[選択科目(3年間で2単位)]
内容は随時お知らせします
事例の口頭発表を行います。
個人心理療法または精神分析療法は、訓練プログラムの中核的要素で、訓練プログラムの最も重要な必須要件になっています。正規生は、訓練期間中ずっと、当協会認定またはそれと同等以上の資格を持つ精神分析家または精神分析的心理療法家のもとで心理療法を受けることを勧められます。訓練以前にすでに心理療法を受けたことがある者は、出願時にその旨を申請し、協会理事会によって認定されれば、その時間数を修了要件に組み込むことができます。ただしその心理療法は、修士またはそれに相当する大学院教育を修了したのちに行われたものでなければなりません。
訓練生は、プログラム開始から2ヶ月以内に、自分が希望する(受けている)心理療法家が、当協会の教員又は連携教員でない場合、当協会が認定する、または、それと同等以上の資格を持つ者かどうかについて、協会理事会の審査を受けなければなりません。個人心理療法の料金は、心理療法家との個人契約になります。
スーパーヴィジョンのもとでの臨床訓練は、訓練プログラムの重要な要素の一つです。訓練生は、週に一回以上の頻度で行われる個人スーパーヴィジョンを合計80時間以上、スーパーヴィジョンのもとでの心理療法面接は、少なくとも3年間継続しなければなりません。訓練生は、プログラム開始から2ヶ月以内に、自分が希望する(受けている)スーパーヴァイザーが、当協会の教員又は連携教員でない場合、当協会が認定する、または、それと同等以上の資格を持つ者かどうかについて、協会理事会の審査を受ける必要があります。スーパーヴィジョンの料金は、スーパーパーヴァイザーとの個人契約になります。なお、正規生には当協会が認定するスーパーヴァイザーリストが配布され、それに基づいて正規生特別低料金でスーパーヴィジョンを受けられる場合があります。
第2期正規訓練生の募集は終了しています(2016.03)。
医師・臨床心理士の資格を有する方
社会福祉士、教師、看護師のいずれかの資格を有しており、かつ認証された国内外の大学院による修士(領域を問わない)以上の学位を有する方
臨床心理学またはその関連領域の博士号をお持ちの方
当訓練研究所は、以上の条件を満たし、かつ、出願時の面接において当研究所の教育課程を履修する学力や動機づけが十分であると認められた者であれば、国籍、人種、性別、性的指向性、宗教的立場などによって、不当に受講を制限されることはありません。
2017年4月1日の時点で以下のいずれかの資格を有し、当研究所の訓練プログラムを受けるための高い動機づけを有する方。
医師・臨床心理士の資格を有する方
社会福祉士、教師、看護師のいずれかの資格を有しており、かつ認証された国内外の大学院による修士(領域を問わない)以上の学位を有する方
臨床心理学またはその関連領域の博士号をお持ちの方