LinkIconEnglish Page
印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |



 一般社団法人日本精神分析的自己心理学協会は、2013年4月より自己心理学を学習するための少人数を対象とするコースワークを開講して参りました。

 各授業は1回90分、全12回からなる1年課程です。2021年度授業は全面的にオンラインで行います(一部、現地開催とのハイブリッドも準備しています)。

 我が国では精神分析臨床に携わる専門家が少なくありませんが、残念ながらそれらの訓練を得るための機会は決して多くありません。特に、Kohutに始まる精神分析的自己心理学は、我が国でも定着しつつあるにもかかわらず、組織だって学習するための機会はほとんどありません。そこで弊協会訓練研究所が主催する神戸精神分析セミナーをご活用ください。臨床を深めるために、また、精神分析的自己心理学の知識を深めるために、多くの専門家のみなさまのご参加をお待ちしています。

ジェンダーとセクシュアリティ(zoom開講。一部、対面参加可能)

葛西真記子(鳴門教育大学)

 原則 毎月第1月曜日19:30〜21:00 全12回
 
フロイトの精神分析理論にとって性愛(セクシュアリティ)はもっとも重要な概念です。性欲動・性欲論は発達論としてだけでなく、人間の心を理解する中核となる理論といえます。しかしフロイトのエディプスコンプレクスはじめ、伝統的精神分析はフェミニズム学派から批判の対象とされてきました。この講義では、伝統的精神分析のセクシュアリティ、ジェンダーに対する批判的立場の理解をはじめ、自己心理学や現代の関係精神分析理論におけるセクシュアリティ、ジェンダーの問題を取り上げます。また臨床場面においてクライエントとセラピスト自身のジェンダーとセクシュアリティがどのように影響し合うのかについて考える視点を提供し、議論していきます。
 

葛西真記子
臨床心理士・公認心理師。日本精神分析的自己心理学協会認定心理療法家。現在、鳴門教育大学大学院心理臨床コース教授。共訳リヒテンバーグ『自己心理学の臨床と技法』(金剛出版)、共著『ポスト・コフートの精神分析システム理論』(誠心書房)、『セクシュアル・マイノリティへの心理的支援』(岩崎学術出版社)、『LGBTQ+の児童生徒学生への支援』(誠信書房)など。

日程 内容
1 5/3 概論(鳴門教育大にて対面受講も可能(zoom参加も可能))
2 6/7 フロイトにとってのジェンダーとセクシュアリティ①
3 7/5 フロイトにとってのジェンダーとセクシュアリティ②
4 8/2 伝統的自我心理学におけるジェンダーとセクシュアリティ
5 9/6 伝統的精神分析に対する批判とムーブメント
6 10/4 自己心理学におけるジェンダーとセクシュアリティ① 
7 11/1 自己心理学におけるジェンダーとセクシュアリティ②
8 12/6 自己心理学におけるジェンダーとセクシュアリティ③
9 R4/1/10 フェミニズム精神分析①
※第Ⅰ月曜が1/3のため、第2月曜に開講。
10 R4/2/7 現代関係論におけるジェンダー
11 R4/3/13(日) 現代自己心理学におけるジェンダーとセクシュアリティ①②
(神戸市内にて対面受講も可能(zoom参加も可能))
12

 


LinkIconお問合せフォームへ


②精神分析と文化(zoom開講)

及川 卓(及川心理臨床研究所)
安村直己(甲子園大学)

 原則 毎月第2月曜日20:00〜21:30 全12回
 ※第2→第4月曜中心に変更しました。

「文化」を「人の営み・心の所産」として文学作品・評論・美術を通して概観し、これまで精神分析が人の在り様をどのように探究してきたのかを様々な文献・資料を通して探っていく。また「文化」の定義をこれまでの学問・芸術・道徳から政治・哲学・倫理にまで拡げ、精神分析理論は人の営みをどのように捉えていこうとするのか、を考えていく。

及川 卓
臨床心理士。及川心理臨床研究所主宰。専門は臨床心理学、精神分析学、セックスとジェンダーの臨床研究。1987年に岩崎学術出版から全5巻で出版された「精神分析セミナー」の事務局長。著書に『ジェンダーとセックス』(弘文堂)など。

安村直己
臨床心理士、公認心理師。甲子園大学教授。著書『共感と自己愛の心理臨床-コフートから現代自己心理学まで』(創元社)、共著『ポスト・コフートの精神分析的システム理論』(誠信書房)、共訳ウルフ著『自己心理学入門-コフート理論の実践』(金剛出版)など。

日程 内容
1 4/26 男性性・女性性Gender Identityの形成と病理(及川)
2 5/24 精神分析的フィールドワークと文化人類学(及川)
3 6/28 「甘え」概念の精神分析的意義①(安村)
4 7/26 精神分析学と歴史学的研究の総合(及川)
5 8/23 「甘え」概念の精神分析的意義②(安村)
6 9/27 エディプスと阿闍世①(安村)
7 10/25 集団心理・大衆心理の精神分析的な視点の重要性・パンデミック(及川)
8 11/29 エディプスと阿闍世②(安村)
※10月非開講分を11月第5週に振替
9 12/27 芸術と精神分析学(及川)
10 R4/1/24 インターネット-デジタル時代の精神分析学(及川)
※1月は第5週に振替
11 R4/2/28 精神分析と日本文化-恥と社会恐怖-(安村)
12 R4/3/28 心理療法における文化・社会的要因-まとめ-(安村)

 


LinkIconお問合せフォームへ

③対象関係論(zoom開講。一部、集中講義)

志久内陽子(精神分析アルシュ京都)
仙道由香(新大阪心理療法オフィス)
清野百合(パークサイドこころの発達クリニック)
馬場天信(追手門学院大学)


 原則 毎月第3月曜日19:30〜21:00 全12回

精神分析学発展の歴史をたどり、精神分析における対象関係に関する概念と思考を理解するために、Klein派の対象関係論的心理療法の治療理論と治療技法を学ぶ。そして現代対象関係論、中間派と位置づけられるWinnicottの対象関係論的な概念と治療技法に関して臨床的な視点から研修する。

志久内陽子
精神分析家。精神分析アルシュ京都。日本精神分析学会会員。京都精神分析的心理療法研究所(個人心理療法家・スーパーヴァイザー)。P.C.M.H.精神分析家(Post Graduate for Mental Health Center公認psychoanalyst)。

仙道由香
精神分析的心理療法士(日本精神分析学会およびBritish Psychoanalytic Council登録)。臨床心理士(日本・英国)。英国タビストック・クリニック成人部門での臨床トレーニングを修了し、Tavistock Centre Qualification in Adult Psychotherapy取得。現在、個人開業(新大阪心理療法オフィス)など。著書『心理療法に先立つアセスメント・コンサルテーション入門』(誠信書房)

清野百合
精神科医、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本精神分析学会認定精神療法医スーパーバイザー。パークサイドこころの発達クリニック勤務および精神療法室個人開業。共著『トラウマとジェンダー―臨床からの声』(金剛出版)、共訳G.O.ギャバード著『精神力動的精神医学 第5版』(岩崎学術出版社)など。

馬場天信
臨床心理士、公認心理師、日本精神分析学会認定心理療法士、KIPP認定精神分析的心理療法家。現在、追手門学院大学心理学部・心理学研究科教授。京都精神分析心理療法研究所(KIPP)での訓練を修了。KIPP桃山オフィスカウンセラー。共著『対人関係精神分析の心理臨床:我が国における訓練と実践の軌跡』(誠信書房)など。

日程 内容
1 4/19 フロイト/フェレンツィに見られる対象関係論の起源(志久内)
2 5/17 フェアバーンとスキゾイドパーソナリティ(志久内)
3 6/14 「甘え」概念の精神分析的意義①(安村)
4 7/25(日) メラニー・クライン①〜理論編:心の発達(仙道)
メラニー・クライン②〜事例検討編(仙道)
※日曜13:00〜16:15に集中形式で行います。
5 8/16 ビオン①(清野)
6 9/20 ビオン②(清野)
7 10/18 ハンナ・スィーガル(志久内)
8 11/15 クライン第2世代(馬場)
9 12/20 ガントリップの理論とスキゾイド現象の問題(志久内)
10 R4/1/17 ウィニコット①(馬場)
11 R4/2/21 ウィニコット②(馬場)
12 R4/3/21 オグデン(馬場)

 


LinkIconお問合せフォームへ


④精神分析研究法Ⅰ(zoom開講)

及川 卓(及川心理臨床研究所)
栄橋心理相談室単位互換授業

 原則 毎月第4月曜日19:30〜21:00 JFPSP実施分4回、栄橋心理相談室実施分8回
 ※第4→第2月曜中心に変更しました。

精神分析的な事例研究を行うための基本的な考え方について学ぶ。臨床技法・理論である精神分析は、その新たな考え方や技法、理論を発展させるために臨床事例研究に頼ってきた。精神医学、臨床心理学、教育学における研究法と異なる、精神分析ならではの研究法とはどのようなものなのだろうか。精神分析の理論や訓練について学習する機会は多いが、それらを発展させるための研究法そのものを学習する機会は決して多くはない。栄橋心理相談室実施分については「問題」「目的」「事例の概略」「事例」「事例の考察」「結果」について取り組み、JFPSP実施分については以下の表について扱う。

及川 卓
臨床心理士。及川心理臨床研究所主宰。専門は臨床心理学、精神分析学、セックスとジェンダーの臨床研究。1987年に岩崎学術出版から全5巻で出版された「精神分析セミナー」の事務局長。著書に『ジェンダーとセックス』(弘文堂)など。

日程 内容(JFPSP実施分のみ記載)
1 5/10 21世紀の症例研究:臨床倫理・法規、Evidence Based、相互交流と相互主体性の重要性(及川)
2 7/12 フロイト、クライン、ラカン、ストラーらの「症例研究」の検討(及川)
3 11/22 コフートの自己心理学的症例研究(及川)
4 R4/3/14 相互主体的な症例研究の模索(及川)

 


LinkIconお問合せフォームへ

⑥精神分析的診断(JFPSP総務部主催セミナー。zoom開講)

中西和紀(あいせい紀年病院)

 原則 偶数月 第4日曜日 13:00〜16:00 全6回

[講読(前半60分)] 精神分析的な診断は、関係の取り方や、それに対する治療者側の内的・外的反応をも含み、介入にあたっての治療者の行動や態度だけでなく、心的状態の観察、調整までその範囲は及ぶ。間主観性理論では、それらは相互決定されるものと見なされる。本講義では、ナンシー・マックウィリアムズの「ケースの見方・考え方:精神分析的ケースフォーミュレーション」の講読と事例検討を基に、精神分析的なケースフォーミュレーションの実際を学ぶ。

[事例(後半120分)] 毎回参加者1名に事例を提供して頂き、前半の視点や自己心理学的な視点を学ぶ。オンラインで行うため、原則、配付資料無しとし、すべて口頭で、担当者および参加者との対話を通してプレゼンテーションを行う。

※定員枠をなくしました。多くのみなさんにご参加いただけます。

中西和紀
臨床心理士、公認心理師。あいせい紀年病院心理室所属。共著『ポスト・コフートの精神分析的システム理論』(誠信書房)。

日程 内容
1 4/25 はじめに/第1章ケースフォーミュレーションと心理療法のつながり(60分)
事例検討(120分)
2 6/27 第2章 面接への導入/第3章 変えられないものをアセスメントする(60分)
事例検討(120分)
3 8/22 第4章 発達的な問題をアセスメントする/第5章 防衛をアセスメントする(60分)
事例検討(120分)
4 10/24 第6章 感情をアセスメントする/第7章 同一化をアセスメントする(60分)
事例検討(120分)
5 12/26 第8章 関係のパターンをアセスメントする/第9章 セルフエスティームをアセスメントする(60分)
事例検討(120分)
6 R4/2/27 第10 章 病因となる信念をアセスメントする/おわりに (60分)
事例検討(120分)

 ※事例検討のみの参加者も募集いたします。


LinkIconお問合せフォームへ


※上記講義に関する参考文献等が記載されたより詳細なシラバスは、教務宛の下記メールアドレスまで個別にご請求ください。またこのホームページの下方にある「お問合せフォーム」よりご請求ください。なお、詳細なシラバスは請求者個人のものであり、譲渡・転載・転用は禁止しています。


jfpspkyoumu@gmail.com

LinkIconシラバス請求用メールアドレス

[①〜⑤の受講料(⑥精神分析的診断を除く)]

 ○全12回分・・・・・・・・・・84,000円
 ・単回(1回分)・・・・・・・・・ 8,000円
 ※1つの講座を通年でお申込いただく場合、年間登録料として別途7,000円が必要です。なお、複数講座をお申込みいただいた場合、2科目目以降は年間登録料は不要です。
 ※単回参加の料金には、年間登録料が含まれています。
 ※JFPSP訓練研究所正規訓練生の全12回受講料は80,000円です。
 ※2020年度に通年で受講していた方は80,000円です(複数講座を申し込む場合、2科目目以降は80,000円)。

[⑥の受講料(文献講読60分+事例検討120分)]

 ○全6回分・・・・・・・・・・20,000円
 ・単回(1回分)・・・・・・・・・4,000円
 ※総務部主催事業のため、年間登録料は不要です。

[⑥の受講料(事例検討120分のみ)]

 ○全6回分・・・・・・・・・・10,000円
 ・単回(1回分)・・・・・・・・・2,000円
 ※総務部主催事業のため、年間登録料は不要です。

受講料は4分割にてお支払い頂くことも可能です。

1) お問合せフォーム

2) Eメール

①お名前、②ご所属、③ご職業(臨床心理士・公認心理師・医師・そのほかの場合は具体的に)、④郵送先住所、⑤電話番号、⑥ご関心のあるセミナー名、⑦本セミナーを知ることとなったきっかけをご記載の上、seminar@jfpsp.orgまでご連絡ください。 2〜3日経過しても返信が送られてこない時は、お手数ですが別のメールアドレスから再送いただくか、上記(1)ないしは下記(3)の方法をお試し願います。
※お問い合わせから3日経過してもメールによる連絡が入らない場合は、LinkIconinfo@jfpsp.netまでご連絡ください。


【期間】

2021年4月〜2022年3月
※一部、5月開講


若干名。ひとつの授業の受講者数は2〜10数名程度と少人数であり、極力細やかかつ濃密な討論を提供することを目標にしています。
※総務部主催「精神分析的診断と事例検討」のみ、定員を設けず開講します。

 2021年度神戸精神分析セミナーには、2021年4月1日の時点で次のいずれかの資格を有し、当研究所の訓練プログラムを受けるための高い動機づけを有する方をお待ちしています。

1. 医師・臨床心理士・公認心理師の資格を有する方

2. 社会福祉士、精神保健福祉士、教師、看護師のいずれかの資格を有しており、かつ認証された国内外の大学院による修士(領域を問わない)以上の学位を有する方

3. 臨床心理学またはその関連領域の博士号をお持ちの方

 以上の条件を満たし、臨床業務に携わるうえでの十分な倫理的判断力を持つ方であれば、国籍、人種、性別、宗教的立場などによって、受講を不当に制限されることはありません。

 一定水準の学習内容を確保するため、書類審査を行います。結果は電子メールまたは電話のいずれかで行います。

出願申込み締め切り:2021年3月22日(月)

※上記締め切り以降も単回参加希望のお申込みを受け付けます。詳しくは上記フォームよりお問い合わせください。

(1)出願に関する注意
(ア) 出願に先立って研究所教員に直接連絡をとり、出願書類の内容についてご相談いただいて構いません。


(イ) 出願手続き後は、いかなる理由があっても書類記載事項の書き換えは認められません。また、提出された書類は返却せずに当方で裁断処分することをご了承ください。


(2)登録手続きに関する注意
(ア) 登録が決定した時より、2週間以内に登録料が振り込まれない場合、登録を認めない場合があります。


(イ) 登録後であっても、出願書類等に虚偽の記載があることが分かった場合には、登録を取り消す場合があります。その場合、登録料の返還はできません。